~災害復旧ボランティア 倉敷市真備町へ~

2018年9月24日~29日

夏が過ぎ、災害復旧のボランティアが減少との情報で岡山県倉敷市の真備町へ、実働5日の予定で行くことに。
今回は、連休明けの更に減少が想定される25日(火)から従事するため、高速道路料金が減免される処置と、宿泊費が補助される「11府県ふっこう周遊割」を利用することにしたが、倉敷市災害ボランティアセンターのお話では高速道路減免処置が9月末までとのこと。 なので、29日(土)まで従事して30日に帰る計画で実行。

*高速道路減免処置は、この後、倉敷市災害ボランティアセンターの専用ページに「高速道路の減免措置は/31まで延長が決定。」との掲載あり。https://peraichi.com/landing_pages/view/kuravol 後述のNEXCOでも記載。

*「11府県ふっこう周遊割」は9月版では 「13府県ふっこう周遊割」に変わっています。

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25日(火)の朝8:30に、拠点となっている中国職業能力開発大学校に設置された、倉敷市災害ボランティアセンター (以後ボラセンと記載) で受付けできるように計画。前日夜に出発、山陽自動車道の吉備サービスエリア(SA)で車中泊、翌朝そこから20分程で玉島インターを経て現地着の予定。
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自宅を午後9時過ぎに出発。西名阪道香芝インターから入り、松原JCTより近畿自動車道へ。西名阪道(柏原)および近畿道(八尾)の各料金所で減免の許可書を提出して、吹田インターでは通行券を取り中国自動車道へ。

後は山陽自動車道へ分岐する神戸ジャンクションを間違えないよう注意して走行。久しぶりのロングラン(235km)の旅、しかも夜間走行なので緊張。途中休憩を挟みながら吉備SAに到着。予定通りここで車中泊。

休憩で寄ったPAもこの吉備SAも車中泊と思われる車が多く、特に多いトラックはエンジンをかけたままなので離れた場所を選んでも、結構エンジン音が耳について寝つかれない。6時に起床、着けていたスマートウオッチの睡眠センサーでは3時間が深い睡眠になっていた。(ほんまかなー)
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上の写真は帰りに寄った上りの吉備サービスエリア。このときもこのSAで足を伸ばして1時間ほど仮眠。
SAのシンボルなのか、昨夜も向こう側の下りSAで同様のアングルに桃の絵が付いた五重塔?の建物。
(車中泊の様子は「車中泊」のカテゴリーで後日UPすることにします。)

💢( 追記 )  高速道路減免のシステムが変更されています。2019年12月4日現在の下記の情報を確認ください。

NEXCO  災害ボランティア車両の高速道路の無料措置について

*注意 以下の申請手続き方法は現在適用されません。

ここで高速道路減免許可書について。
以前のブログでも触れたが、料金所に提出する減免通行証となる「災害派遣等従事車両証明書」の申請手続の手順は、
①予め従事予定日を決め、災害地のボランティアセンター(社会福祉協議会)に募集状況の確認と居住市町村に申請する書面のFAXを依頼。書面に必要事項を記載してセンターへFAX返送し、証明を受けたものを再度送ってもらう。
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②「災害派遣等従事車両証明の申請書(個人の場合)」の書面を下記よりダウンロードして、通過料金所(往復)毎の申請書を作成(*注)し、上記申請書とともに居住地の役所に提出して減免通行証の発行を申請する。
NEXCO(西日本高速道路株式会社) https://corp.w-nexco.co.jp/newly/h30/0814/のホームページより
広島県を選択し http://www.pref.okayama.jp/page/567021.html この関連ページに手続方法、申請書類等の記載があります。

* 私の居住役所(危機管理室)で往復分頂いたが、今回吹田インターで往きと還りの方式が異なったいる事をセンターで指摘、帰路分はセンターで発行していただいた。(往きの下りは吹田インターの発行機で通行券を取るが、帰路の上りは吹田料金所で近畿道も含めて徴収される。)、

* 今回のように天候等による変更も有りえるので、帰路は(慣れている)ボラセン発行を利用するほうが良いと思う。(受付で即時発行)

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上の書面記載予定区間の近畿道から先は、往時は八尾料金所で提出、後は中国吹田料金所ICの通行券とともに2枚の許可証を最後の出口料金所(玉島)で提出した。 (許可証合計4枚)
復時は通行券を取ったのち、吹田で近畿道分も併せて記載された許可証と通行券を提出、その後西名阪道柏原料金所で提出。 (許可証合計2枚)

・1日目(9月25日)
倉敷市ボラセンの設置されている中国職業能力開発大学校ではグラウンドが駐車場となっていた。
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以前はグランド一杯に駐車されていたとのことで、かなり少なくなったと誘導の方のお話。周りを見ると隣が「松本」ナンバーで、周囲に「春日部」「熊本」「香川」等の他府県ナンバーを認めた。

受付後に来た順に着席。1列10名着席、5人毎に1チームを形成。その中でリーダーと作業時間管理のタイムキーパーを決める。今回は10名席が2列になっており、その列で行き先と乗車バスが異なっている。
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真備の町に入ると、道路沿いの廃棄物はほぼ無くなっているが、家々の戸は開け放たれ、家財道具は何もない状況が窓外に続く。
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小田川に沿って走る井原線の高架沿いはかなり浸水が深く、2階まで被害を受けた地域が広がっている。
そのため、ほぼすべての家具、電化製品、寝具衣類等を廃棄せざるを得ない状況で、現在は屋内が空の建物が大半の様子。ボランティアに従事しながら「自分が今住んでいる身の周りの家財すべてを廃棄しなければならない」状況は想像だにし難いが、現実にここで起きている、と幾度となく痛む思いがよぎる、、。

ボランティア作業は、現在は床下や奥外の泥かき作業と併せて、床面や壁面の部材撤去作業が主体になっている様子。解体する予定の家も多く、釘等の踏み抜きに注意を払いながら、泥をかぶってカビが発生した壁や木材を撤去しなければならず、それを分別して搬出する作業にかなりの人手と期間が必要と思われが、ボランティア数の減少傾向が案じられる。

このような作業が増えるにつれボラセンでは素人のボランティアへのアドバイスも含めて、建設関係者や経験者、車両、道具持参のボランティア募集も呼びかけている。https://peraichi.com/landing_pages/view/kuravol

実はこのブログを書くに当たり、しばらく気が進まなかった。それは、災害ボランティアの高速料金減免が9月末までとされ、どのように関係機関が連携しているわからないが、各地からこの制度を利用してボランティアに来ている状況を知るなら、復興を妨げるような、ブレーキをかけるような措置を取るのかと怒りを覚えていた。

10月に入って制度延長が通知されたようだが、長距離の高速を利用された方は、月末に退出を余儀なくされた方もおられたことだろう。延長決定でひとまずは解決。次は11月末までの「ふっこう割」。真備はその程度の期間では到底無理と思われ、災害ボラに対しては何らかの対策が望まれる。
                                                    画像は、倉敷市災害ボランティアセンターtwitterより
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初日の作業は真備町新田地区。井原鉄道川辺宿に近く、高梁川と決壊した小田川の合流地点に近い地域。
なんと初日のこの地域のサテライト担当は、私の居住する奈良県の社協さんでした。ご苦労様!

私達のグループ(5人)は一部解体する予定のお宅の床の垂木撤去と壁の撤去。こちらの方は、2階まで水没したのでお隣のコンクリート建物の屋上に避難したとのこと。釘の踏み抜きに十分注意して作業をある程度終了し、予定時間にサテライトへ。

そして、バスでボラセンへ戻り、待機していたボランティアスタッフの皆さんの協力で履物、手指洗浄消毒、うがいをし、冷たいお絞りやドリンクの提供も頂いて終了。
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・2日目(9月26日)
2日目は横溝正史さん縁りの岡田地区へ。
サテライトとなっている真備公民館岡田分館は、「金田一耕助」のイベント用品を保存していた場所。ここも2m以上水没した所。
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発見翌日の新聞で知った人形劇に用いた人形「金ちゃん」が、ポツンと腰掛けていてびっくり!以前降り立ったJR清音駅で、真備町のこの辺りがゆかりの地で有ることを知ったので、出会えた喜びも湧いて、何か複雑な心境、、。                                                  2018.7.21読売新聞(奈良版夕刊)より
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さて、作業は5人で田園の傍の住宅地の庭の堆積したどろの掻き取り。家の中は床を剥がして何もない状況。
お家の方は真備記念病院に避難し、ボートで救出されたとのことで、ニュースで度々目にしたその場所の状況が記憶に蘇る。
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作業した場所の地区の稲田。何事も無かったかのような佇まいを見せている景色ですが、前方に映る家並の2階まで浸水した所で、戻れる状態では有りません。田畑もやむ無く、野草で稲穂が隠れるほど。
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真備公民館岡田分館前で帰路のバス待ちの時、地元の方が撮ってくれました。(顔カットしてますが、ちょっと疲れて@_@;こんなんかな)

・3日目(9月27日)
小田川上流の小田郡矢掛町に近い呉妹(くれせ)地区へ。備中呉妹駅付近で、小田川の堤防が決壊した地域。サテライトは国道486号線沿いの被災した診療所の空いた建物と敷地を使わせていただいていた。
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診療は写真右手の仮設プレハブ(写っていません)で行っておられました。

被災宅の作業は、1階と納屋の保管物処分と2階の家具等の降ろし。3グループとボラセンの方のトラック分別搬送で少し大掛かり。

小田川堤防決壊の近くですが、真備町中心街よりは高台で、被災された方は2階で難を逃れたとのこと。しかし家は解体を余儀なくされるようです。
昼食休憩時間に決壊箇所に行ってみた。
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備中呉妹(びっちゅうくれせ)駅 その右側橋近くの堤防に。
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作業終了後、歩いてサテライトへ戻る途中に災害の爪痕。

・4日目(9月28日)
この日は箭田(やた)地区。
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図面④➠の場所で、青色の濃い地域で浸水が深かった場所。その上の白っぽい部分が市立図書館とホールのある場所。
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途中の井原鉄道橋桁に浸水の高さがオレンジ色でマークされていました。
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サテライトは県道278の大型店舗が並ぶ通り沿いの「エヴァホールまび」の駐車場を利用した場所。
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近くの郵便局は、車で営業中でした。
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この前を通り、市立図書館近くの作業場所に向かいます。
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歩いて作業に向かうスタッフのはるか上、家並みの2階まで一面に水没していたとは想像し難いのですが、やはりガランと空いている家が目に入ります。

作業は比較的新しいお宅の壁材の剥がし作業。カビが生えた木材も再使用出来ず、廃棄処分とのこと。
2グループで作業に当たりました。遠方から一人で来られた女性の方もバールと金槌を持って、慣れない作業を頑張っていました。

ここでは多分プロの方がボランティアで来られて作業されているようでした。上にも記したが、ボラセンでは解体予備作業の増加に伴い、一般ボランティアの安全な作業指導も兼ねて、プロの方、経験有る方の参加を呼びかけている。
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作業場所近くの「倉敷市立図書館」とホールの有る「マービーふれあいセンター」。 一段高い場所ですがやはり浸水被害を被っていた。
駐車場が家電製品や業務用厨房機器等の廃棄処分場に。
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眺めている間にもエアコン等の搬入が有りました。

ボラセンに戻ると、張り紙が。
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明日(土)までの参加を予定していましたが、致し方ないですネ。
年配の爽やかなご婦人方が担当する受付で、「高速道路料金減免許可証」と「ボランティア活動証明書」をいただく。
*「ふっこう割」の活動証明書はホームページからダウンロードした書式にもありますが、ボラセン発行で可。bora-syoumei

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ちょっと見にくいですが、ダウンロードした「ふっこう割」申請に必要書式です。
気をつけたいのが、取扱マニュアルが8月版から9月版に更新されており、11府県から13府県に変わっていて、提出書類も8月版では無かった、5枚目の「行程表」が増えています。

観光で西日本を元気に!!「13府県ふっこう周遊割」
岡山県取扱マニュアル <ボランティア活動参加者版>
Version 18/9/21 16:00

お世話になったご担当の皆様、車両誘導や受付、作業後の洗浄消毒、冷たいおしぼりや飲み物の配布等に携わっていただいている、多分地元の大勢のボランティアの皆様、各地からおいでになっている社協の皆様有難うございました。

まだまだ長期間の活動になると思いますが、皆様の力で着実に復興に向かっている実感でした。
またお手伝い出来る機会にお会い出来ますことを。

帰路は、次回の参考に、このボランティアで利用の多いという山陽道鴨方インターから帰ることに。
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ご覧いただき有難うございました!

Posted by ss-kinkon