災害ボランティア研修 ~ 大和二山巡りハイキングの後に(後編)

2019年12月14日(土)

前ブログ記事「大和三山ならぬ(^^ゞ二山巡りハイキング ~ 災害ボラ研修前にテクテク💦」に続く(後編)として、その後に受講した災害ボランティア専門技術研修のことを記事にしています。

近鉄「大和八木」駅からスタートし、耳成山、香具山に登り、紀寺跡、本薬師寺跡を経て近鉄「畝傍御陵前」駅東北側の「奈良県社会福祉総合センター」に着いたのが14:10頃、研修開始時間20分前のちょうど良い時間に到着。

🔶 奈良県、奈良県社会福祉協議会主催の【令和元年度 災害ボランティア登録者連絡会】災害ボランティア専門技術研修ーーー今回は被災家屋の床下復旧(編)」。

🔹その前に、、、

最近の奈良県・奈良県社会福祉協議会による災害救援ボランティア活動は、令和元年台風19号災害」で浸水被災した福島県への、救援ボランティアバス運行(3回)による活動。

その第1回活動に参加した際の、郡山市災害ボランティアセンターサテライト3箇所の写真を。(県社協より持参した作業機材を載せたレンタカー6台に分乗し依頼各所に分散しているので、別のサテライトへ行っている参加者もいる。)

奈良県社会福祉協議会が、近畿ブロック社協として郡山市・伊達市に応援スタッフを派遣しているが、写真のサテライトでも、県社協から派遣されたスタッフがコーディネーターとして、情報の収集・整理・発信や被災者からの相談や希望作業(ニーズ)とボランティア双方の紹介・調整等を行う業務に携わっておられた。

🔹実際に活動している現地の状況や作業は、奈良県防災士会のホームページに掲載されている(下の画像をクリック)ので、そちらをご覧頂きたい。

奈良県社協「台風19号被災地(郡山市)災害ボランティア」に参加して

また奈良県防災士会では、12月にも福島県いわき市で活動されており、その活動報告の記事に掲載されている写真で、より現地作業の詳細を伺い知ることができる。

🔸さて研修は、各地での啓蒙活動にも力を入れておられる、下記のお二人による被災家屋の床下復旧」に関わる講演と実技指導。

小林直樹 氏(災害支援団体風組関東代表 / 震災がつなぐ全国ネットワーク幹事 等)

松山文紀 氏 (災害対応NPO MFP / 震災がつなぐ全国ネットワーク事務局長 等)

被災家屋の床下復旧の具体的な事例を画像で示し、解説して頂いたが、その中で床下の泥出しのために床板や根太(ねだ)を切除を切断する場合、復旧する際に不都合な場所で切断された事例の紹介があり、それは実際に岡山真備町での現地作業で目にしたような状態。

個人参加した岡山真備町の活動では、集まったボランティア参加者の着席順に振り分けられる場合と、依頼現場(ニーズ)の状況を聞いて、挙手で参加意思を示した数人ごとに振り分けられ、いずれもその振り分けられたグループの中でリーダーとタイマー(作業・休憩時間管理)を選出していた。現場によってはプロの方のボランティアが先に来ておられたところもあったが、多くはボラ経験の多い方がリーダーとなって作業を進めていた。

多くのボランティアを必要とする時期では致し方なく、ボラセンでは一時、ホームページ・SNSで、指導できる技術系ボランティアの参加を呼びかけていた。

そのような状況ではあっても、災害ボランティアを志す者が、適切な対応を学び、知識を身につけたリーダーとして現地作業で携われるようになることが必要と、真備での情景を重ね合わせて感じた。

実技研修は、床材の再利用を前提として、剥がす前に養生テープにナンバーを記入・貼付し、適切な工具の扱いで床材を剥がす方法を全員が体験。この作業は泥撤去に必要だが、それにも増して肝要な事は “乾燥” 。

機器による建材の水分検知、ネット販売されているスマホや液晶に画像が出せる安価なファイバースコープ(上の画像の右下)での壁面内側等の検査方法や、点検口の設置方法等、少し専門的な作業まで解説を頂いた。

家の大敵は「湿気」、水害後に発生するカビへの対策として、水を含んだ断熱材・ボードなどの建材の撤去、そして洗浄・消毒等の後の徹底的な乾燥が必要とのことで、参考に送風機も説明していただいたが、むろん扇風機でも可能。乾燥には最低1ヵ月以上かけるつもりで、徹底的な乾燥が必要との解説であった。

比較的期間が短くニーズに応じて場所を移動する災害ボランティアでは、現実には出来かねる作業も含んだ講習だが、ボランティアも被災者宅の復旧の手助けとして携わるうえで、一連のことを知っておくことは意義あることだと感じた。

🔹講義の内容は、浸水被災宅への復旧の適切なアドバイスとしてチラシ・冊子にまとめられており、お二人が所属する「震災がつなぐ全国ネットワーク」(震つな) のブログに、

「水害にあったときに」~浸水被害からの生活再建の手引き~ を補完する「水害後の家屋への適切な対応」(A4判4ページ)を作成しました。

と紹介され、チラシ版(A4版4頁)冊子版(A5版32頁)はPDFをダウンロードできるようになっている。

🔹また、株式会社新建新聞社が発行する、日本で唯一の危機管理とBCPの専門誌リスク対策.com」の公式ウェブサイト「Eラーニングのご案内」で、小林直樹氏の 被災地における住宅復旧作業の注意点【台風15号・19号復旧支援】 が紹介されており、下記の第1回~4回、すべてを無料公開して頂いており、youTubeで視聴できる。

建設業者、工務店、ボランティアのための災害復旧基礎講座

第1回 被災地におけるボランティアとの協働における注意点

第2回 被災家屋での作業における安全衛生の注意点

第3回 被災家屋の復旧における法制度の注意点

第4回 被災家屋の復旧におけるポイントと注意点

🔸web上でも活動を伺うことのできる経験豊富なお二人の講義、短時間では有ったが今後の活動に生かせる有意義な教示を頂いた。

退出して「畝傍御陵前」駅へ。もうすっかり暗くなり、ハイキングしてきた気分もどこかへ、、、、。

ともあれ、被災された方々と接した折りに伝わる、ご苦労、心労を思うにつけ、先ずはいち早い復旧、そして復興が進捗し心穏やかに癒せる時が訪れることを願うばかりである。

 

 

ご覧下さいまして有難うございましたm(_ _)m

 

 

Posted by ss-kinkon