「障がいのある人と家族の為の防災セミナー」第1回に参加~福祉避難所を体験(HUG)など

2020年1月25日(土)

「いつか」ではなく「いま」備える! 障がいのある人と家族のための 防災セミナー

    第一回 「大規模災害をリアルに考える~福祉避難所を体験してみよう!~」

🔷 NPO法人 奈良県防災士会のホームページで、「障がいのある人と家族の為の防災セミナーが連続して3回開催されます。 災害弱者への取組みとして大事なセミナーです。」 との記事を見て参加。但し、案内チラシは手元にあり、12月に受講した「災害ボランティア専門技術研修」か、あるいは10月から3回に分け受講した「奈良県防災リーダー研修」受講の折りに頂いていたものかも。記憶力減退(^^ゞ

主催:奈良の親亡き後・老い支度 障がい者・引きこもり当事者の家族のための相談窓口 「明るい未来準備室」  (ホームページhttp://akarui-mirai.net/)

後援:奈良県・社会福祉法人奈良県社会福祉協議会

🔹会場はJR大和路線「郡山」駅東側に隣接する「大和郡山市立市民交流館」

さすが大和郡山市、、、TVも、懐かしいiMacのパソコンも金魚の水槽!

🔹講師は 温井(ぬくい)恵美子先生。多くの福祉防災の役職に携わる傍ら、兵庫県立大学院復興政策研究科博士後期課程で研究されておられるパワフルなお方。防災士。

詳しい講師の紹介やこの防火セミナーの主旨は、「明るい未来準備室」ホームページの「講座・イベント等」の該当する項目をクリックしてご覧ください。(第2回、第3回の案内も掲載されています。)

チラシは、奈良県防災士会のホームページのこちらでも紹介されています。

セミナーの最初に 眠気覚ましにと、始まったのが ” 認知体操 ” 「セルフジャンケン」。

右手と左手でジャンケン、先生の指示で右手が左手に勝ったり、その逆に左手が右手に勝ったりと、、、 これが結構難しくて、ついていけない。(-_-;)

TVでもやってた気がする。これをやることで「認知症の予防」に繋がるとのことだったが、今回はもう一つ、講師からの示唆。

つまり、「やったことの無いこと」⇒「対応し難いこと」

🔹 ・令和元年台風19号(2019.10.12)による長野県の浸水被災 ・大阪北部地震(2018.6.18) ・平成28年熊本地震(2016.4) ・平成30年西日本豪雨による倉敷市真備町の災害 における、問題の有った事例、適切な福祉施設の対応事例等を挙げて、「要支援者(障がい者)の避難」のタイミング、率先避難者としての役割等についての課題、また物理的、精神的に避難所へ行けない在宅避難の要支援者宅へのサポート、などの課題を示された。

🔹また、避難行動要支援者(災害時要配慮者)の対象、対象者名簿の作成等、支援計画には「公助」「共助」の支援者に加えて、当事者も係るべきとして、吹田や奈良の取り組みの一部例示で、学ばせていただいた。

🔹令和元年台風19号時の、長野県のある町立老人保健施設の避難所開設のケースの紹介では、

午前9時二次警戒配備で福祉避難所開設準備  ・14時に町の保健福祉保健課から要支援者受け入れ要請  ・交通手段のない要援護者(高齢者と障がい者)をリフト付き車両で迎えに行く   【以上スライドより】

と、早い段階で事前準備をし、レベル3の避難準備・高齢者等避難準備開始の情報で行動していた。更に、この施設はデイケアとショートステイ(58人定員)の事業も行っており、ベッド数にゆとりがあったことも幸いしたとのこと。

🔹さて、福祉避難所の仕組みや、福祉避難スペース(指定避難所の中に福祉的ケアを提供できるスペース(部屋)を準備し、なじみの地域・人の中での避難を可能にする)、災害発生時に要配慮者の自宅から避難場所(指定避難所・福祉避難所・入所施設・医療機関等)への流れ等を学んだ後、 下記の想定で福祉避難所運営ゲーム(HUG)に取り組んだ。

・1月25日(土)午前10時頃奈良で震度6強の大きな地震が発生。停電、断水、ガス遮断。住宅やビル崩壊。電車停止。気温日中6度、夜半から雪の予報等の設定。

・上の状況で奈良市内の老人保健施設での福祉避難所の模擬開設。

・施設長は出張中で不在。近隣在住も含め職員7人で、係を分担し、本部や受け入れ場所を早急に設定するとともに、次々スライドで表示される避難者情報等を把握して、協議して施設図面の必要なところに落とし込んで行く(付箋等を貼付)。

HUG(避難所運営ゲーム)は、昨年10月受講の「奈良県防災リーダー研修」で初めて経験したが、この時はいきなりの開始でほとんどのみ込めず、自治会などで経験されておられる方の要領を見ながらの学びだった。当然要支援者の受け入れもあり、「福祉避難スペース」の設定も行っていった。

今回も同様に、要支援者以外に日本語のわからない外国人の避難や、健常者の避難への対応、ペット同伴の避難のケースへの対応など、困難事例も含めた運営ゲームで有るが、こういった想定訓練を重ねて「やったことの無い」を無くし、いざの時に備える必要性を、あらためて感じた。

🔹講演の中で、ある「悲しい」事例を話された。

それは、西日本豪雨で浸水被災した岡山県倉敷市真備町で、避難出来ずに亡くなった軽度の知的障害のある母親(三宅遥さん)と5歳の少女のこと。

私も、真備町ではボランティア活動に数回参加したが、この事は何時ごろか、TV視聴するまで知らなかった。現地で作業中に、避難された方々のお話しは幾度か伺ってはいたが、それとは裏腹なこのお話に少なからずショックを受けた。

動画では、元気で話す親子の様子も写っていて、その結末に胸が痛んだ。

そしてあらためて、先生の「軽度の障害であっても、近くても避難所となる学校へ行った事がなく経験のないことで、障がい者は不安を持ち、行動出来ないケースもある。」とつぶやくようにおっしゃった言葉。

そして、参加者に問い、その返答の中の「寄り添うこと」の言葉を引き出しその思いの大切さを強調された。

*周囲の変化で不安が増幅し、パニックに落ちいるだろうことが、後述するNHKのインタビューでの彼女の言葉で想像できる。要配慮者への日頃のサポート、避難が必要な時のより速いサポートの必要性を感じる。

*真備町では、亡くなられた方の51人中42人が「避難行動要支援者」。市の要支援者避難の「個別計画」が策定されてなかったとのことではあるが、支援者が彼女のメールで警察消防に救助要請したが果たせなかったようであり、むろん「公助」も大切なことではあるが、三宅さんや避難が困難だった高齢の方々に、「共助」が率先的になされていれば、と、、、。

🔸真備町のこの事は「NHKハートネット 福祉情報総合サイト」

「災害弱者」 繰り返される悲劇 (記事公開日:2019年05月17日)

 ・「災害は年中行事  意識を変えることが必要」の中で車いすの弁護士 東俊裕さんの語りとして触れておられる。

また、同サイトの「シリーズ 障害のある女性  第1回 知ってほしい!私たちの生きづらさ」に、三宅遥さんが出演された際のインタビュー記事も掲載されている。

  ・【出演者インタビュー】三宅遥さん「周囲の人のサポートが求められる」(2016年07月08日)  

(*NHKのリンクについて: メールで確認し、トップページのリンクOKですが、個別ページのみのリンクは、変更のためリンク切れを起こす場合があるので、お断りしているとのこと。今回私は、リンクしたトップページの検索からは上記の個別ページを検索出来ませんでしたので、便宜上個別リンクをさせて頂きました。但し、リンク切れの時にはご容赦ください。)

  

🔹講師の次男の方が重度の障がいをお持ちで、もし他の人のサポートが必要になった場合に活用出来るよう、ポケットに入る程度の大きさの”連絡帳”に必要情報を記入したものをお子さんに携行させておられ、それを紹介、さらに、「親亡き後のための事前準備」となる「SOSファイル(障がい特性カルテ)」のことを紹介された。

🔸「SOSファイル(障がい特性カルテ)」は、大阪府立吹田支援学校のホームページからダウンロードできるとのこと。

トップページ(https://www.osaka-c.ed.jp/suita-y/index.html)⇒ お知らせ ⇒ PTA ⇒ SOSファイル

大阪府立吹田支援学校の「SOSファイル」は、下の画像をTOPに59ページにわたる記録ファイルだが、ホームページには次の記載があります。

<「SOSファイル」はもともと、福岡市知的障害者特別支援学校保護者会連合会で作成されたもので、吹田支援学校の在校生と卒業生の保護者とが使用しやすいように作り直したものです。

2011年3月11日の東日本大震災での教訓を生かし、緊急時や、障がいのあるわが子を誰かに託さなければならないあらゆる場面を想定し、わが子の障がいの特性をはじめ、できるだけ多くの情報が正しく理解され、適切な対応(支援)をいただくための個人情報ファイルです。(「SOSファイル」より抜粋)>【以上、ホームページより】

🔸説明されたスライドの「SOSファイル(障がい特性カルテ)」の画像は、福祉防災コミュニティー協会の「防災・事業継続計画研修資料」で小さく[無断転載禁止]の記載があったのでここでは遠慮。ついでに同協会のホームページのリンクフリーを確認したので参考に。

* 福祉防災コミュニティ協会 トップページ「みんなで元気になる 福祉避難所」 災害時に福祉施設が事業を続けられるよう、防災・事業継続計画(BCP)研修等の活動を⾏い、平時からの福祉防災コミュニティづくりと災害時の福祉支援を⾏うことを目的にしている。Facebookもこちらに。

🔹会場には、「SOSファイル」のサンプルや各種防災関連の本とリーフレットなども展示。

以上、「障がいのある人と家族の為の防災セミナー」参加の様子と、一部の内容を記載したが、福祉防災や災害救援、支援関連組織の役員として、且つ防災士としても現場へ出向き活動されたであろう温井先生の、リアリティーをもって語られるお話は、私自身としてはもう随分齢を重ねたが、しかし、より学びつつ「寄り添える」者として、生かせることが出来たならと、、、。

「いつか」ではなく「いま」をアクティブに。

🔹セミナーを開いてくれた「あかるいみらい準備室」(代表:行政書士 山口まゆみ氏)に感謝!

*この時のセミナーの事が、ホームページに掲載されています。1/25『「いつか」ではなく「いま」備える!障がいのある人と家族のための防災セミナー』第一回 参加者様のご感想をいただきました>

*また「あかるいみらい準備室」Facebookはこちらに。

以上  ご覧いただき、ありがとうございました。(-“-)

 

 

 

Posted by ss-kinkon