信貴山・高安山ハイキング~出会った野山の花々
2019年5月2日(木)
天皇ご即位による令和元年を迎えた2日目、大型連休後半入りの奈良は、やや薄曇りだが低山のハイキングにはちょうど良い 気候。
王寺駅北口から朝護孫子寺の信貴山門行きに乗車(360円)、終点からハイキングスタート。
バス停留所から少し先は自動車専用で「信貴生駒スカイライン」の有料道路。
奈良交通はそこまでだが、近鉄バスが有料道路を通り、近鉄西信貴ケーブル「高安山駅」までの路線運行を行っている。
停留所前広場から道を横切り、斜め向かいの階段通路を下りて「とっくり湖」上部の道へ。
そこから里山の緩やかな登り道を、野の花を愛でながら「農業公園信貴山のどか村」方向へてくてく。
早速民家の庭近くに、色どりが美しいハナダイコン(花大根) 。
タネツケバナ(種漬花) 仲間の多い野草。
上流のため池に続く沢沿いの道、山側の藪にクサイチゴ(草苺)の群落。
赤い実がなると「木イチゴ」🍓と呼んだ方が似合いますね。
こちらは、もう実をつけ始めています。これは食べたことないけど、、、。
さすが連休で車がいっぱいの「農業公園信貴山のどか村」、入場ゲートの前でしばしトイレ休憩。
ハイキングルートは、のどか村西側の三叉路、大阪側へ向かう自動車道路から分かれ、小さな祠の赤い鳥居前の細道を進み恩地峠方向へ。 (googleフォト拝借 )
ほぼ県境に沿っている道、連休と有って多くのハイカーとすれ違い ” こんにちわ~”。
元気な、子供のはずむ声に、ほっこり気持ちの和むハイキング!
大阪側からの登山道恩地峠との合流地点から急な階段を登り、北方向にある「高安山霊園」が見渡せる展望休憩所へ。
どこの管理かわからないが、休ませていただきます。😴
ハルジオン(春紫菀) 研究者以外でこの花びらを数えたヒトいるかな、、、。
霊園の柵沿いに北上し霊園への車道へ出て、近鉄西信貴ケーブル「高安山駅」へ。
車道脇にアケビ(木通・通草)の花。アケビは雌雄異花。上の写真には両方の花が。
近鉄西信貴ケーブル「高安山駅」。河内山本駅から出る信貴線の「信貴山口駅」と連絡している。
上の写真、ケーブル駅の右側にハイキングコースを[高安山気象レーダー観測所」方向へ。
屋上にレーダードームの有る特異な観測所の建物は、近鉄やJRの車窓からも望める。
観測所の傍に八尾市教委の「高安城址」の石碑。
大和朝廷の時代667年(天智天皇6年)に築かれたとされる高安城(たかやすのき)。google地図上には、この近くに本丸跡がマークされている。
民家の点在する場所に出ると、写真の道標には方向表示がないが、『高安城本丸跡」を巻くように、そこを右折して信貴山方向へ進路変更。
今度は下り坂が連続し、ほどなく「信貴生駒スカイライン」を横切って(ちょっと緊張)進行。
細道を行くと、どんぐり(コナラ)の若木のあちこちの枝に赤いリンゴのような実?
[コナラメリンゴフシ」と呼ばれる虫こぶ(虫癭ちゅうえい)。ナラメリンゴタマバチが寄生してできたものとのこと。
それで、この虫こぶの命名方法が面白い!
寄主植物名(コナラ)+形成される場所(メ)+形態的特徴(リンゴ)+虫こぶ(フシ)
下の写真のアオキ(青木)もそうでした。
(これは高安山霊園沿いに有ったが、関連するのでここに。)
正常な赤い実は、冬に鳥に食べられるか、落下するので、この時期まで残ることはない。
命名方法に依ると、寄主植物名(アオキ)+形成される場所(ミ)+形態的特徴(フクレ)+虫こぶ(フシ)
かなり下りてきた感じだが、信貴山城跡への標識のところで、以前登ってきたことの有る、右方向の道を選択。左へ行けば信貴畑から平群の方へ。
いきなりの急こう配の石敷き道を、沢沿いに更に下っていくと、やがて滝の響きが。
仏炎苞の先端が糸状に長いのでキシダマムシグサ(岸田蝮草、別名ムロウマムシグサ)と思うが、だとすると(都道府県に拠っては)絶滅危惧種。
下のテンナンショウ(マムシグサ)の仲間も高安山霊園への道沿いに咲いていたが、関連するのでここに。
ブログの別の記事 名水を求めて~奈良県宇陀市「高井 の千本杉」の湧水~ でも紹介したムロウテンナンショウと似ているが、仏炎苞の中の柱のような肉穂花序(にくすいかじょ)が棒状で異なっている。
弁財天が祀られた滝。上の信貴山城跡への標識のあたりが分水嶺で源流のように思われるが、急傾斜の谷に水かさを増し、ここへ来て修行用のトイ伝いの流れも相まって、ひと際滝の音を響かせている。
取水設備が有ったのか、廃れて草むした施設が散見される場所。
そこの道沿いに、コケのマメズタ(豆蔦)が張り付いたコンクリート工作物の裾にユキノシタ科のチャルメラソウ(哨吶草)。
廃れた設備の有るあたりは、下のダム湖に至る谷地の湿地帯のようでもあり、まるで野草の宝庫。
下の写真、何種類の野草がイテハルんでしょうか?
有茎性のスミレの仲間でしょうが、葉や茎の状態では「タチツボスミレ」かと。
時期的なものか何かで花弁の形が変わっているのかと検索したが、不明。
下の写真はヤブタビラコ(藪田平子)。
不明でしたが、webの「はなせんせ」 ” 教えてはなせんせ ” で、上のスミレと共に、以前にもお世話になっている ” まつおか ” さんにコメントでご教示いただきました。
過去に谷川の水を貯留させていた設備なのか、四角いコンクリート枠の中が土で埋まっている所。そこの一面がヤブタビラコの葉で覆われている。
似ているコオニタビラコと比較して、葉全体に軟毛が多く縁が少し角ばり、花は小さく花弁の数が多い特徴が下の写真に出ている。
さて、信貴山城跡と弁財天滝への案内標識と、信貴山断食道場の在る場所へ到着。