2018年4月29日 へぐり時代まつり~歴史ウオーク

2018.4.29(日)
奈良県生駒郡平群町の「へぐり時代まつり」が開催。それに合わせて「きんてつハイキング」が企画されたので、てくてくとマイペースで歴史探訪ウオークに参加。

hegurijidai平群町は、 生駒山地の東側と矢田丘陵の西側を南北に、地形学的には生駒市の在る生駒谷に続く平群谷に位置し、その低部に紅葉で知られる竜田川が流れ、斑鳩町と大和川につながる王寺町に隣接。とてものどかな風景の広がる町ですね。その地形は、矢田丘陵の椿井城跡に登ると納得できました。
heguri  椿井城跡からの眺望。 写真の右端に生駒山、左側の一番高いところが信貴山(松永久秀の居城が有った所)。写真中央の平群中央公園の両側 も城跡だそうです。小菊の生産量日本一ののどかな風景の広がる歴史豊かな町ですね!

 「時代まつり」というと何となく戦国時代のイメージが強く、各地の同様なお祭りでも「武将隊募集有り!」ってな書き込みが見られますが、確かにこの「へぐり時代まつり」も騎馬にまたがる武将や、各地から応援参加のたくましい武者が登場し、若い女性たちから「かっこいい!」と黄色い歓声。うん、武者が目立つ存在ですね。
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 かわいい武者達も登場!
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KIMG1359でも、平群町ゆかりの歴史は主だったものだけでも、廃仏派の物部氏と闘った聖徳太子や役小角の登場する7世紀、長屋王の変の起きた8世紀、そして島清興(島左近)や松永久秀の登場する15~6世紀と、飛鳥時代あたりから奈良時代、そして戦国時代にかけて、壮大なドラマの展開に係わった地域だけに、数多くの古墳や城跡、そして名刹がそれを物語り、まさにその歴史の展開が「へぐり時代まつり」に凝縮されているのだと感じました。

パレードは平群町役場前から出発。平群マイスターズ(平群南小と平群北の児童のマーチングバンドとのことで、とてもハイレベル!)迫力ある演奏行進を先導に、平群町のゆるキャラ「長屋くん」と「左近くん」がマイリアカーに乗り颯爽と登場、次いでちょっとおばちゃんっぽい(失礼)倭建命。続いて聖徳太子等(順番違ってるかも)、そして生駒山ろくの千光寺ゆかりの役小角が登場。
KIMG1362 この小角が修行した鳴川山元山上千光寺は、その後大峯山の山上ケ嶽で修験道場を開いたことにより、「元の山上(もとのさんじょう)」と呼ばれるようになったとのこと。

近鉄の平群駅の次が、元山上口駅。千光寺まで歩いて50分ほどですが、のどかな山沿いの田園地帯を通り、森林を抜けて清滝石仏群も見ながら古刹へと至る気持ちの良いハイキングコースですので、お勧めです。

続くは729年に藤原武智麻呂によって謀反の罪を着せられ、妃の吉備内親王、子等共々自害させられた「長屋王の変」の悲劇の主人公です。

KIMG1364お付きのちびちゃんたちも続きます。(この日は晴天で暑くて、、、、、大丈夫かな)
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KIMG1356最近は、イベントとなるとドローンがつきものになってますね。
このドローンくん、椿井城跡の山頂上空も偵察?飛行してました。

パレード出発会場の向かい側、上の写真の後方白壁のお寺、長楽寺さんの門から入った境内、すぐ左の桜の樹に花が咲いているのが眼に入りました。ちょっと失礼して撮影させていただきました。
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KIMG1357セッコク (蘭のデンドロビュームの仲間)です、すごいですねえ!きれいに咲き誇っています。この花も今年はちょっと早く咲いたのかな? いいものを観せていただきました。感謝!

さてと、パレードを見送り、「歴史ウオーク」マイペースてくてくへ。
すぐ近くの竜田川の左岸を北上していきます。きんてつの推奨コースMAPでは、西へ登って行き、藤田家住宅 (国指定重要文化財) と白山神社弥勒堂 (元は神宮寺であった富貴寺の一角を守る鎮守社で、明治以前の神仏習合の名残りで神社の境内に弥勒堂が残存) が見学できるが、昨年のイベントで見学させて頂いたので、今回はパス。

この様なイベントの時は、地元の方々の案内が有るので、普段立ち入れない場所も見せて頂けるのでとても有意義ですよ!

ちはやぶる神代も聞かず龍田川 唐紅に水くくるとは ( 古今和歌集 在原業平) 

KIMG1388このあたりの川は、川中も河川敷も整備されています。鴨たちがお昼寝?ちゅうでした。

和歌で名高い竜田川ですが、水は濁っています。上流の生駒あたりの宅地開発や、市街化のせいか、元山上口駅付近から先は奇岩の多い渓谷になり、滝もあり、渓流に沿って整備された遊歩道もあるのですが、水の流れは濁りと泡立ちで残念な眺め。

平群から下流の生駒郡斑鳩町に至ると三室山と共に紅葉で有名な場所、ここも川沿いが整備されて春は桜、秋は紅葉が美しく朱色の橋も架けられ、憩いの場所ですが、清流に戻ってほしいですね


吹く三室の山のもみぢ葉は 竜田の川の錦なりけり (後拾遺和歌集 能因法師)

竜田川を北に行き次の橋で右折、国道168を横切り長屋王の墓に向かいます。
KIMG1392最初に、吉備内親王の墓所です。ここは初めて訪れたとき、あまりにも民家の軒先に近接しているので、とても驚きました。古は、近くの長屋王の墓所と触れ合うぐらいの規模の風景だったのでしょうね。
KIMG1397次いで陵墓の縁のようなカーブの道沿いに歩を進めると、ほどなく長屋王の墓所。地元の方の説明に、訪れた方々が熱心に耳を傾けておられました。邪魔しちゃいけないので、変な角度からの撮影です。
KIMG1398好天で汗ばむ気候ですが、「道の駅大和へぐりくまがしステーション」のまつりメイン会場から聞こえてくるMCのマイクの声をBGMに、宮山塚古墳や椿井城跡へ向かいます。
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KIMG1409山頂の椿井城南郭群に到達。麓の椿井氏の氏神という椿井春日神社北側からの登りコースは、ちょっと急坂続きでぬかるみもあり、イノシシ用?かいな、、とぼやきつつ、暑さで参り気味の私は息が切れるどころか、息絶えそうやんと、繰り返し繰り返し立ち止まり休憩。

そこへ「もすぐですよ」と天使のようなありがたいおばちゃん達の励ましの声。 矢田丘陵と名の付く低山ですがね。甲冑付けてこんなとこ登ってはったんかな~と思ってたら、突然視野が開け、とても見晴のいい場所。登って、良かった~!
heguri北郭群は整備中で立ち入り禁止でしたが、南郭は副郭も連なり、ここにも案内の方がおられて解説していただいたので、十分に戦国時代の城跡の趣を楽しみました。
KIMG1410下りは南ルートをたどりましたが、こちらはほぼのんびりゆったり歩める林間コース。途中には道端に宮裏山古墳が。

南側から戻り着いた椿井春日神社、その傍が小高く盛り上がっており、そこが県指定史跡の宮山塚古墳。案内の方が、玄室入り口にマットを敷いて置いてくださり、中がライトアップされていましたので、腹這いで見学できました。

ここでもとても驚いたのが、今まで見たことのない玄室の造り。石室にしては比較的小さな石を用いて、天井までアーチ型に整えて造成された構造。
KIMG1411ここからは、「平群観光ホームページ 山のポッケNAVI」の説明と写真を少し拝借。

 通常は石室内の見学はできませんが、4月29日(祝)の第6回へぐり時代祭りに合わせて限定公開される予定ですので、この機会に訪れるのも良いかも知れませんね♡

  墳丘は東側の山頂稜線にある椿井城への登り口に作られた土塁施設に取り込まれています。    (中略)  

 玄室は下半が垂直に積まれていますが、上半部分は四方から内側に持ち送られており、コーナーの無くなるドーム状で”天井石”とよべるものはありません。

 また、羨道も幅1m、高さ0.5mと非常に小さい構造になっています。

 出土遺物は確認されていませんが、特異な石室構造より5世紀後半~末頃の築造と考えられてます。
 *写真はホームページより
     miyayama_4L                                                                                            
こんな大小、形の異なる石でアーチ状に構築されていることと、更に驚きは、これが5世紀後半~末頃に造られたと推測されていること。日本では古墳時代の中頃になるのか、魏志倭人伝にみる3世紀あたりから4世紀を経て、朝鮮半島からの文化や技術がもたらされてきたのだろうが、これも渡来の人々の技巧の成せる業か。案内の方から、その頃の半島に同じ形式の古墳が有ることを聞き、また同じ頃に造られたとされる、何とレンガ造りのドーム型の古墳の画像も見せて頂き得心。
さて、椿井春日神社を出てすぐ近く、坂道沿いに椿井の井戸が有り、シャガの花が趣を添えていました。
KIMG1412聖徳大子ゆかりの湧水井戸ですが、太子が主役ではなく、物部氏との闘いに苦戦していた椿井氏祖先と伝えられる平群神手将軍が戦勝祈願の際、この地に椿の杖を突き立てると、椿が一夜で芽吹き、そこに清水が湧き出て、その水を太子に献上し、また飲んだ兵士らも士気が上がり、物部氏に大勝したとの故事が有るとのこと。
ここからは一転、、道の駅を遠巻きにするように、また国道168を横切り西へ、国指定史跡の烏土塚(うどづか)古墳に向かいます。                    *写真は平群町ホームページより   
udoduka_2L墳丘の周りが削られて造成され、高い台形の丘のようになっており、登ると見晴らしの良い古墳ですが、運動により宅地開発の破壊から国指定の史跡として保存を勝ち取った方々のご努力に敬服。


ここも普段は施錠され、中を見ることができませんが、この日は案内の方がおられて、羨道から玄室入り口まで立入って見学出来ました。ですが、照明がなく、飛鳥の石舞台とほぼ同じくらい天井の高い古墳ですから、上手く撮影出来ませんでしたので、画像を町のホームページより拝借しました。
(白状しますと、本日の撮影画像はいつも携行する愛用のデジカメを忘れて、スマホでの撮影写真です。)

この後は、きんてつハイキングMAPでは、北の平群中央公園へ向かい、西宮古墳と平群神社を経て平群駅へとなっていましたが、登山?で体力が疲弊した私は、一駅違いの竜田川駅より帰途に。
KIMG1416竜田川沿いには、コイノボリがたくさん!そして、この川には本物の鯉もたくさん泳いでいるのを見かけることが有りますね。
平群町ホームページと平群町観光ホーペ

ージ(山のぽっけNAVI)を拝見しますと、もっと興味の有るスポットがたくさん。四季折々に訪ねてみたいと思います。
お祭り実行や、案内などに携わってくださった平群町の皆様、ありがとうございました!!

・てくてく途中で立ち止まらせて癒してくれた花々
KIMG1389・ブタナですね。 これは川沿いですが、平群駅西側近くの空き地にたくさん咲いていました。よくタンポポと間違えられていますが、タンポポモドキとも呼ぶようです。(タバコのポイ捨て止めましょう!)
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・可憐な野バラです。
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・ハナニラはお家のポットやお庭に増えましたね。
KIMG1422・スズラン  どなたかが植えられたのでしょうね。
KIMG1413・ユキヤナギの向こうの木陰にはシャガの群生が。
KIMG1400・さて、この華、調べましたがわかりません。石垣上の畑の端っこに群れて咲いていました。
葉はニンジン風で茎、枝ぶりはウドの仲間に似ていますが、花冠が違いますね。
一番近いのは シャクのようにも見えますが、やはり花序の先からが異なるようで、変種かな。
いずれにせよセリ科のようですね。
どなたかご存知の方、教えてくださ~い!

2019年6月追記 ;

この花の名は、オルレア・ホワイトレース(セリ科) ですね!ブログ移行の整理中に気付きました。(^^)/

ブログの「第15回フェスタinふろーらむ~生駒市花のまちづくりセンター」 に、たくさん咲いている写真を掲載しています。

アクセス、散策情報は平群町観光オフィシャルホームページ「山のぽっけNAVI」
http://kanko.town.heguri.nara.jp/accessmap/

ご覧いただき有難うございました!

Posted by ss-kinkon