ボランティアの合間にぶらり旅(そのⅡ)~倉敷市真備町「吉備真備」ゆかりの史跡

2019年3月2~3日
🟡 岡山県倉敷市真備町での災害ボランティア従事。
その2日目(3/1)の作業後は、予約していた倉敷市玉島乙島の「セントイン倉敷ビジネス館」へ直行。
そして、3日目(3/2)のボランティア終了後に、気になっていた真備町の「吉備真備」ゆかりの史跡を訪ねることに。
まず「まきび公園」へ。
そこは、最深5mくらいの浸水被害を受けた箭田(やた)地区の、井原鉄道吉備真備駅から距離500mほどの場所。
低山の高台になっているので浸水被害は免れた一帯。
DSCI1649公園南側山上には「吉備公廟」や「八田(はった)神社」が鎮座。
麓の中国庭園風に整備された公園は、池の石橋や六角亭の休憩所、そして奥に記念石碑、また周辺には「吉備寺」「まきび記念館」「たけのこ茶屋」等が在る。
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遣唐使の留学生(るがくしょう)として2度唐へ渡った吉備真備。国家の運用システム、弓矢等の軍備の他、囲碁、音楽等の文化的な事柄も日本にもたらした。
カタカナも真備の発明によるものとして、亀の背に球を乗せた面白いモニュメントが設置されている。
カタカナ亀石と並んで「遣唐留学生 吉備真備記念碑」。
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吉備真備記念碑の由来についての石標。
中国西安市にもほぼ同様の記念碑が建立されていることが記されている。
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公園南端遊歩道の立札の案内に従って階段を登りお堂のある広場に出るが、見回しても何の表示もない。ここが「吉備公廟」のはずだが、石灯籠や階段には寄進者名のみ。
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結局、下まで降りて再度案内を確認、今度は左手の地道を迂回するように登り、正面からお堂前へ辿るも、、。
仕方なく念のためにと、お堂の右横手の狭い通路を奥へ行くと、
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なんと、せせこましい場所に大きい「吉備公廟碑」。
 
そしてそのそば、つまり堂の真裏に、一段と高く設えた石柵に囲まれた場所に石塔。
立派な墓所にも関わらず、南側の参拝する堂の前に何の案内もないのが、いぶかしい思い。
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真備の終焉地や墓所は、生誕地と同様に、この地の豪族下道(しもつみち)氏ゆかりの場所なのか、あるいは活躍し居住した奈良の地なのか定かではないようだが、隣の小田郡矢掛町の吉備真備公園にある史跡と、真備町の史跡は近い距離(5km弱)にあり、一帯が真備の下道氏一族の本拠地であったことは否めないようだ。
 
墓所でお参りの後、隣の八田神社にも参拝、まきび公園へ下りる。
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「まきび記念館」は開館時間が過ぎ残念だが、唐風の建造物が周囲の白梅と石橋がかかった池泉庭園等と相まって風情を楽しませてくれた。
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次に訪れたのが、700m北の「箭田大塚古墳」。
 
県道54号線をまたいで塚の東側に駐車場。歩道沿いには、いくつかの土偶埴輪のファミリーが並んで可愛い! 👨‍👩‍👧
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田畑の間を塚に向かうが、遠目に、塚の竹林の間にポッカリと黒く、まるで写真に穴を開けたかの様に、景色の一部の空間に暗黒ホールでもあるような異様な思いに駆られる光景が飛び込んできた!
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奈良や近隣で多くの古墳を見てきたが、このような様相の古墳は(私にとっては)初めて。
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DSCI1665墳丘の階段を登り、羨道口に立って得心した。羨道が大きく口を開けている。
大きく高い羨道は、飛鳥の「石舞台古墳」に匹敵し、羨道の幅・高さおよび石室全長もほぼ同じだが、石舞台古墳は墳丘覆土が失われ、石の隙間から光が差し込むから、入口から奥の暗がりがこんな ” 暗黒の口を開けているような ” 様相にはならない。
DSCI1675羨道(L10.7×W2.3×H2.4m)や玄室(L8.8×W3.0×H3.8m)の巨石も石舞台古墳を彷彿させる。
*石舞台古墳は羨道(L11.7×W2.5×H2.6m)、玄室(L7.7×W3.5×H4.7m)の石室。
玄室は当然施錠されているので、隙間から撮影。
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「これが下道氏の墓とすれば、吉備真備公との関連も考えられます」と説明板に記載されているが、昨年のNHKの番組でも紹介されたのを見ていたので、こうして実際にその場に立ち、ますます感慨が膨らむ心地。
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奈良には石舞台古墳より大きいとされる「見瀬丸山古墳」が飛鳥に近い橿原市にあり、大きな前方後円墳だが石室を見ることはできない。
箭田大塚古墳は円墳の形を残し、間近に見学できる貴重な古墳。岡山市の「牟佐大塚古墳」、総社市の「こうもり塚古墳」とともに全国有数の巨石古墳は岡山県の誇れる史跡遺産ですね。
 
上に書いた、箭田大塚古墳が紹介された昨年12月のNHKBSプレミアム番組とは、
 英雄たちの選択「右大臣吉備真備 左遷からカムバックした男」
岡山出身の歴史学者 磯田道史氏が、豪雨災害を受けた真備町が、偉大な学者吉備真備ゆかりの地であることも知っていただき、足を運んでいただきたいとの強い思いで番組に出演した、との趣旨を語っておられた。
 
この番組については、インターネット検索でもいくつか内容紹介が出ているようなので、ご興味の方は是非。
 
 
「ボランティアの合間にぶらり旅」は、(そのⅢ)として~倉敷市玉島 良寛ゆかりの円通寺等」(仮題)を後日に予定。
 
 

ご覧いただき有難うございました!

 

 

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Posted by ss-kinkon