日本遺産認定✨「葛城修験」第28番経塚&亀の瀬~龍田山・三室山 龍田古道を行く軽登山ハイキング
2020年07月19日(日)
🔷和歌山県代表申請の「『葛城修験』- 里人とともに守り伝える修験道はじまりの地」で、ゆかりの王寺町、三郷町、柏原市を含んだストーリーが日本遺産に認定された。
また、柏原市と三郷町が申請していた龍田古道と亀の瀬の『もう、すべらせない!!~龍田古道の心臓部「亀の瀬」を越えてゆけ~』のストーリーも日本遺産に認定され、今回は、そのゆかりの「第28番経塚」「亀の尾宿」の在ったとされる地、及び山越え龍田古道の龍田大社伝承地を巡る軽登山。
(山登りコミュニティサイト ヤマレコ「YamaReco」より転載)
コースは、 大和川多聞橋~龍田大社~JR三郷駅前~峠八幡神社~亀の瀬 龍王社~竜田古道の里山公園~龍田本宮御座峰~龍田大社本宮跡~三室山展望台~龍田大社~大和川多聞橋 12km程度の軽登山ハイキング。(*地図上のスタートとゴールは龍田大社前)
🔹王寺から大和川「多聞橋」を渡り、県道195号線を横切り、すぐ先の路地の急坂を数メートル上がると、緑ラインが引かれた狭い道、もうそこは「龍田古道」。
西向きから徐々に南へ変わる、静かな落ち着いた趣きの高台の道を辿りゆくと森景が見え、そのまま「龍田大社」前へ。
お参りして🚻を利用。(*この先川沿いルートは、亀の瀬地すべり記念館が休みなら、山上の公園までトイレがない。三室山から行けば、山中の広場にトイレあり。)
龍田大社から三郷駅に向かって”古道”を下ると、大社の末社「神奈備(かんなび)神社」。
神名火(かんなび)の 石瀬(いわせ)の杜(もり)の 霍公鳥(ほととぎす)
毛無(けなし)の岳(おか)に いつか来鳴かむ
志貴皇子 (万葉集 巻八 1466)
🔹JR三郷駅前。隣のスーパーが無くなり何となく寂しく感じてしまう。向かいのコンビニで中食購入。
駅前からすぐ先、奈良学園大学、信貴山方向への三叉路、中央分離帯公園に万葉歌碑。
我が行(ゆき)は 七日は過ぎじ龍田彦 ゆめこの花を 風にな散らし
高橋虫麻呂 (万葉集巻九1748)
三叉路を西へ、大和川沿いに二本茂る「磐瀬の杜 (いわせのもり)」。
神奈備の 伊波瀬(いはせ)の杜の 呼子鳥(よぶこどり)
いたくな鳴きそ 吾が恋まさる
鏡王女 (万葉集 巻八 1419)
歌碑の歌に詠まれる「磐瀬の杜」だが、ここは開発工事に伴い移転された場所とのこと。
「磐瀬の杜」背後のJ堤防を走るR線は、そこからすぐに大和川を斜めに渡る。
亀の瀬地すべりで止む無く迂回するための「JR第3大和川橋梁」。いわばこれも “歴史的” で、また橋桁構造が真ん中で変わる変わった橋梁とのことで、Google写真で見ると、それがよくわかる。
堤防沿いの道の突き当りは、三郷町水道局。旧鉄道は隧道を拔け、このあたりを走っていた。
また、一帯の川べりは、亀の瀬で小揚げした荷物を魚梁船に積み替えて奈良側へ運ぶ、剣先船を係留する浜と魚梁問屋が在ったらしい。
🔹三郷町水道局の西側を細い峠道へ。
けっこう、車の通行が多いので要注意!
少し進んだ開けた場所。山側斜面がコンクリートで覆われ、ここから地崩れの実感が湧いてくる。以前、道路南側フェンスの上部に旧トンネル出口らしいレンガ構築物が垣間見えたが、今は草木に覆われて全く見えない。
もし亀の瀬旧トンネルの一部なら、三郷町側の貴重な遺構として保存され、将来何らかの形で観ることができるようのなればと、、、。
竹やぶの緩い坂道を登ると、「峠八幡神社」と石の地蔵菩薩が祀られている「辻堂」の在る三叉路の峠。古の道のイメージにふさわしい場所。
北へ向かう道は柏原市雁多尾畑の集落や、「竜田古道里山公園」へと続く比較的急な登り道。
「峠八幡神社」は寂しい場所にあるが、来るたびに清掃が行き届いていて、熊手の跡が清々しい。
驚くのは、瓦屋根で囲まれた中に、小さいが極彩色でしっかりした造作の御祭神の社殿。由緒不明?説明があれば、と惜しまれる。
🔹峠から西へ進と、広い道路に合流。
一帯は大規模な地すべりで田畑や鉄路が破壊され、大和川も堰き止められて洪水が発生した場所。60年を超える、世界でも例のない、亀ヶ瀬の地すべり対策工事が行われた地域。
一旦区切りをつけ終了したが、まだ必要な対策作業は続いているとのこと。
湧水を排水させるトンネル施設の入り口。これまで2回入って見学したところだが、こんなのが幾本も張り巡らされ、立坑からの湧水を集めて大和川に流しており、なかなかの迫力!
ただし、もとの法華経を収めた場所よりこの祠に移されたとされている。
また対岸の王寺町の明神山山頂(写真右奥の一部盛り上がった所)にある「水神社」も最終地に認定され、さらに次の写真の、、、
川中に在る「亀石」もそれに当たるとされ、現在も巡礼の対象になっている様子。(渇水時は地続きで亀の頭もよく分かる。)
また、修験の第28番宿場「亀の尾宿」がこの近在だったらしいことも、ストーリーの構成文化財のひとつとなっている。
強い日差しのもと、ときには急坂を喘ぎ喘ぎ、、、。おまけにカラスよけなのか?ドカン~ドカーン~とぶどう畑のあちこちから強烈な爆発音! (゜o゜;イライラ~💦
公園の上方、信貴山に至る県道186号線沿いの「龍田山伝承の地・龍田本宮御座峰」へ。
「御座峰」の案内看板から細道を上がるとすぐに、小高い場所の苔で覆われた広場に「龍田山伝承の地」の石碑。その右手奥が御座峰祭祀の場所で、縄が張られ立ち入り禁止。ここから龍田大社へ至る古道が「神降り(かみくだり)の風道(かざみち)」と三郷町の龍田古道リーフレットに。
公園に戻る。管理棟玄関脇に万葉歌碑。 (万葉集巻十2214 詠み人知らず)
🔹公園フェンス沿い、もと登ってきた車道の右側、多くの方が植樹された桜の園が続く道を行くと、古道の下り道。
下り行くと、左側に古の石垣と石柱、その先に、、、
龍田神社本宮跡の立て札と石碑。あたりの林間が遺跡っぽい、、、が、付近の古い小屋?など、もう少し整備できないのかな、、、(-.-;)
三室山展望台着。階上が南東側の見晴らしもよく、なかなか趣のある造りでいい休憩場所。
大和川の手前に三郷町の南側と往時に傍を通った「JR第3大和川橋梁」。その向うこの丘は王寺町。
ところでこの場所、登りの方向案内はあるが、下り3方向に別れていて、木段で整備された道もあるが、行き先標示がない(-.-;)?初めての人は迷うだろうね(*_*)?
違うルートで下りてみたいが、不安なのでこれまで歩いた広い方の道を下りる。
神社前の小公園ベンチで休憩させて頂いた後、更に北へ続く古道(旧街道)から大和川多聞橋を渡り、王寺町へ。